御祝儀相場とは、何か大きいイベントがあると株価が上昇する現象を言います。
まさに今、自民党の総裁が決定した、このような瞬間ですね。
総裁選で決着がつくと株価が上昇するというのはよく言われることであり、実際にはほぼ毎回上昇しています。
ところが今回、石破新総裁が選出されると日経平均は暴落しました。
これは石破総裁の金融引き締めよりの考えが円高を誘発し起こったことではありますが。
これを石破ショックとか、石破さんは経済に無頓着だからだとか、ひどい言われようです。
私自身、特に石破さんのことが好きでもないですし、なんならあの喋り方があまり好きではありません。
ただ今回の出来事を石破ショックと呼ぶのはいささか失礼なんじゃないかと思います。
というのも、この出来事があると、この時期には、株価が上がる下がる、みたいなセオリー自体が崩れてきているからだと思います。
そもそも毎回セオリー通りに株価が動くのであればみんながそれに乗っかろうとするはずです。
数年前に年末ビットコインが高騰した記憶が市場参加者の脳裏に焼き付いたせいでその後数年間みな年末を期待しました。
みんなが同じことを市場でやるとどうなるか、以前と同じにはならないわけです。
みんなが年末に上がると思っているなら早く売ろうとするチキンレースが始まります。
そうやってセオリーは崩れていくのです。
今回の御祝儀相場も同じく、別に石破さんが100%悪いわけじゃないと思います。
昨今、株式市場も為替市場も流動性がどんどん高くなっています。
つまり市場に存在する優位性や歪みはあっという間に埋まり、そこは優位性ではなくなる。
市場は生き物であり心理の塊です。
なのでいつまでも同じセオリーでトレードしようとするのは非常に危険で、常にファンダメンタルズの修正を自分の中でしていかなければなりません。